
保険選びの基準
経営者が保険を選択する基準は何でしょう。多くの経営者は、返戻率の高い保険を選びます。もちろんそれも重要な指標ですが、生命保険にはこれでは見落とされてしまう重要な事実が隠されています。
それを炙り出せる指標が「実質負担」という考え方です。実質負担はとても単純な考え方で、払込保険料累計から解約返戻金を差し引いたものです。
これは保険会社に払込んだ保険料のうち将来の保険料である前払保険料を戻してもらった『実質の負担』あるいは『実質の費用』と言えます。

実質負担という尺度
実質負担は払込保険料累計が解約返戻金より多い時(戻り分が少ない時)はまさに負担になりますが、支払いより解約返戻金が多い場合は実質利益と言えます。
実質負担と実質利益、保険種類によってどちらの場合も起きうるのですが、普通はどちらが採用されるでしょうか?法人が採用する保険では圧倒的に実質負担になるケースが採用されます。

保険の起源は定期保険と養老保険
生命保険の種類は大きく分けて二種類、『定期保険』と『養老保険』です。
定期保険は解約返戻金が無いか有ってもほんの僅なので「かけすて」と言われます。経理上は保険料は費用計上されます。一方養老保険は積立目的の保険で経理上は保険料は資産計上されます。
かけすての定期保険も期間を100歳とした場合は解約返戻金は相当に大きくなります。養老保険の期間を105歳とした場合は通常は終身保険と言われます。
ここで保険料と返戻金の差をとると、定期保険は実質負担になり養老保険(と終身保険)は実質利益になる傾向があります。
保険種類別の実質負担と実質利益
50歳から70歳までの死亡保険の実質負担を以下の四種類の保険種類で比較して特徴を明らかにしていきます。
短期定期は支払い保険料は最も少ないが実質負担は最大

50歳加入で70歳満了のこの定期保険(短期定期保険)は実質負担は毎年増大し続けます、そして実質負担がもっとも大きなものがこの短期定期保険。そして支払う保険料がもっとも安いのも特徴。
長期定期は支払い保険料は大きくなるが実質負担は少し軽い

50歳加入100歳満了のこの長期定期保険も実質負担は毎年増え続けて行きます。50歳から70歳までのこの期間では短期定期保険より実質負担は軽くなります。
養老保険は支払い保険料は最大だが、実質利益も最大

50歳加入70歳満期の養老保険は保険料がもっとも高いものだが、実質負担は経過とともに小さくなって実質利益に転じる。養老保険の場合、満期まで保有すると資産運用の効果があります。
終身保険は全期間支払保険料は定期より少なく、実質利益がある

終身保険は実質負担がある水準から徐々に小さくなって、保険料の払込期間が過ぎた後ではゼロになり実質利益に転じていく。
終身保険は、解約した時の実質負担が一定の金額であり期間が経過してもそれ以上には増えないという特徴がある。
まとめ
50歳から70歳までの1億円の死亡保障を総払込保険料(単純負担)と解約返戻金分を控除した実質負担を比較したものが下記の表になります。
これだけ実質負担に差がありますが、現状では定期保険が選択されています。

多くの経営者が定期保険を選ぶ理由は、次に続きます。