米国で起きたインフレを鎮めるために長期金利を上昇させようとする米国、インフレは西洋諸国にも広がり世界中で金利が上昇していく勢いである。この物価高と金利に最も影響がある要因が通貨供給量の増大。通貨供給は銀行が貸付を通して増加させるものだから、通貨が増えると貸付が増え、必要以上の貸付は金利を低下させる要因になる。一方で経済規模に比べて通貨量が増加すると通貨の価値が下がるいわゆるインフレーションが起きる。現時点では通貨供給増大の最大の理由はコロナショックを和らげるために仕方がなく通貨を供給したとの説明だが、実態は通貨供給はコロナ前から起きていることであり、通貨供給は慢性的景気対策ということになる。
西洋・米国・日本は人口の増加が緩やかになり、景気の長期的落ち込みが明確になってきた。経済学では人口・資源・資金を投入すれば生産力即ちGDPが増加するという法則がある。人口増加が緩くなったり人口が減少してくると需要が落ち込んできて必要とする資源が少なくてよくなり、この段階でGDPを増加する手段は資金の供給量を増加させるという手段しか残されていない。
斯くして、米国・英国・日本・中国では中央銀行はじめ各国の銀行が資金供給を増加させ、ことごとく金利が低下して超低金利、マイナス金利現象が起こってきた。また余剰資金は消費・投資へ向かい物価の上昇・株式市場の高騰などを起こしてきた。特に再生産の不可能な地下資源特に石油・ガス・金属などは高騰してきている。さらに追い討ちをかけるようにロシアへの制裁としてロシア圏と欧米先進国との経済分断を通してサプライチェーンを寸断しているために物不足としてのコストプッシュインフレが起きている。
インフレが起きてくると中央銀行の役割として金利上昇させて市場へ滞留している資金を償還させなければいけないのだが、資金が有り余る結果のデマンドプルのインフレと物が不足しているところのコストプッシュインフレが同時におきているので、冷静に原因別の対策を考えると高金利政策だけが有効とは思えない。コストプッシュについては早晩サプライチェーンが復活すれば価格は落ち着いてくるだろう。事実石油や自然ガスは2021年7月レベルの価格へ落ち着いている。
余剰資金の為の旺盛な需要については家や車のような借入とパッケージになっている商品は早い時期に価格が落ちてくるだろう。それと十分な資源が入手可能になれば工場で生産できるものは生産が追いついてくるのでこれも価格は落ち着いてくるだろう。金利とは別にインフレは落ち着いてくる。考えるべきことは一旦上がった金利はどのようなインパクトを経済に与えるかだ。
米国の金利はFRBのインフレ対策での金利上昇というイメージが強いが、実際にそのイメージ通りなのは2年もの国債である、2年もの国債は2022年から金利が上がっている。いっぽう10年・20年・30年ものは2020年5月からゆっくり上がってきている。つまりコロナショックにおける資金供与の結果金利が上がってきている。ここで少し冷静に物を見なければならない。資金を供給する第一関門は貸付なので貸付が多くなるほど金利はさがるはず。ではコロナショック以降の金利増大はどう考えるべきか? 債券を買うことで資金供給をする場合は債券価格が安いほど銀行は買いやすいので債券価格が下がる結果、金利があがるということになる。資金供給も市中銀行が市民に貸し付ける場合は貸付量が多いほど金利が低下し、国の債券を買い取る場合には金利が上昇する。
今後は金利上昇に見合う経済力が民間企業側に残されている場合は貸付金の回収が進み、その後不景気になり金利が下がり国債が暴騰する、結果として資金供給残高が縮小する。いっぽう、経済力が残されていない場合は倒産による貸倒がおき資金が回収されないまま不景気になり資金は市場にだぶついたまま。この場合は株式市場などは資金余裕者はリスク出尽くしたということでリスクオンのブル景気になる可能性がたかい。再び低金利に戻り為替もドル安円高になるだろう。
さて近未来の地球はどうか? 今後の繁栄する地域としては人口増大地域=東南アジア(中国・インド・インドネシア・ベトナムなど)、地下資源豊富地域=アフリカ・中東など。本来これらの地域にカネと人・資源が適度にミックスされて供給されれば豊かになると思われるが、例えば地球人口80億人が経済的に等しい購買力を持ったなら現在の地球の資源は維持できるか?と言われれば甚だ心もとない、仮定が非現実的だとしても民主化の未来は普通に考えるとそういうことでしょう、再生産不能な地下資源は値段が高騰するでしょう。それを防ぐ意味で不公平な状態や非民主化は今後も維持されるでしょう。
最後に残る、マネーだが、現時点ではマネーの発行できる国は西欧諸国米国・日本中国でありこれらの国が世界開発の殺傷与奪の権利を持っているし、信用供与をしすぎてマネーの価値維持が限界まできていることも事実だ。マネーの未来はより慎重に見ていきたい。